ちょっといっぷく 第18話
第18話 がまだす計画2大プロジェクト
予てより島原市が安徳海岸埋立地に建設中であった島原復興アリーナが完成した。
県内最大規模を誇る多目的複合施設の完成は、島原半島の中核的存在として威力を発揮することになろう。
一方隣接地には、長崎県が推進中の雲仙岳災害記念館(仮称)がいよいよ着工の運びとなる。今後の予定では、平成13年度竣工、14年度(夏休み前)の開館を目指している。
両施設のある平成町は、前面に穏やかな有明海が横たわり、背後には峨々たる平成新山がそびえ、海と山両方が同時に眺望出来る風光絶佳の地に位置する。
記念館は、いろいろなアイデアや日本の技術の粋をこらしている。
完成するとこの両施設は、集客の牽引力となるべきプロジェクトとして期待されるが、なお2つの点を提起したい。
その1は、アクセス道路の問題。集中的に多数の人達が押しかけることが予想されるがまとまった人数を捌くには、諫早・島原間特に島原道路の早期貫通を急がないとパニック状態となる恐れがある。
2点目は、販促の充実がもとめられる。
企業的感覚からいえば、施設は立派に出来たが、その維持管理費を如何にして稼ぎだすが、減価償却費や金利負担の問題もある。究極のところ集客力を強め稼働率を高める方策を考えないといけない。税金で埋め合わせをするから心配無用というなら話は別だが、行政にも経営感覚や戦略が求められる時代、甘い考えは通用しなくなるのではないか。
集客力で思い出したが、宝塚歌劇のチケットはなかなか手に入りにくいことで定評がある。これには色々理由があるのだろうが、最も大きな要因として、販促部隊11人が2~3人ずつ組みになって、全国の旅行会社や修学旅行を計画している学校を回り団体客の誘致をする。つまり専任の販促部隊が常時セールスプロモーションを行ってチケットの完売に努力している結果だという。
あの豪華絢爛、憧れの宝塚歌劇にしてこの努力あり。「施設が立派だから顧客が来てくれる筈」という思い込みは捨てなくてはならない。直接の受益者団体が自前で専任者を提供するとか、市町から出向した職員を販促部隊へ編入するとかの協力且つ継続的営業活動が必要である。
(島原商工会議所会頭)
島原復興アリーナ | 雲仙岳災害復興記念館 | |
敷 地 面 積
本体延床面積 駐 車 施 設 事 業 費 |
31,300平方メートル
7,950平方メートル 約1,500台 30億円 |
約60,000平方メートル
5,429平方メートル 一般400台・バス20台・ほか15台 45億 |
2000年(平成12年)10月4日