ちょっといっぷく 第19話

第19話 爆笑 風流小話三第

 

ある春の宵、望洋会の猛者連が長崎の飲み屋で放談をした。

その時のちょっと程度が落ちるが風流小話の一席。(本稿を発表するのは随分ためらいがあったが、酔っ払いの酒肴と思いご寛容の程)

嚆矢はO君の輪切りの西瓜の話

最近の若い女性は、即席ばやりで自宅では包丁など使ったことがない者も大勢いるらしい。西瓜を丸ごと買ってきた女房、その切り方がわからぬ。普通は三角とか三日月形に切るわけだが、この女房なんと輪切りにしちゃった。真ん中の直径の一番大きい部分を出された客、その食べ方が問題。暫くの思案の末エイとばかり真ん中にかぶりつき、穴があいたところで、頭からかぶり、西瓜をグルグル回しながら食べらしたげな。

一同「まさか」

第2弾は恩師への恩返し

古希を迎えた恩師を囲んで同窓会をやった。その晩、泊まることになり恩師を中心に雑魚寝をした。夜中に老先生、突然大声を出して叫んだ。「いやぁ~立った、立った。何年ぶりかで立ったぞ」隣に寝ていた教え子が、おそるおそる「先生、それは僕ンとです」

一同「う~ん、そりゃ面白か」

こういう話になると、黙っておれない御仁がいる。N画伯はパリーに遊学した経歴を持つ、従って話は国際的だし、日頃から「ピカソだって80歳をすぎた作品は、春画に近い」とのたまうだけあって、この方面の薀蓄は、余人の追随を許さない。画伯曰く「イレブン ピヨピヨて知ってるかい」一同「いやあ、イレブン ピーエムなら昔テレビであったよな」

パリー一の逸物を持っておる奴がおるというので、金を出して見に行った。夫婦2人住んでいた黒人だったが、日本の浮世絵を見せて日本人のはこんなにデッカイぞと先ず機先を制した。そしたら彼氏、巨大な逸物を引っぱりだしてジャンジャン太らした。これでもかこれでもかと見事な黒光りする奴を、胸を張ってどうだと言わんばかりに隆々と凝らせた。だがここで負けては日本人の恥じとばかり、「日本人のはもっとデカイゾ。ひよこが10匹とまって、11匹目が鬼頭の丸いところで滑って落っこちる位あるんだから」と言ったら彼氏とうとう怒りだした。

一同「うんにぁ~、参った、参った。今日はこれにて打ち止めたい」

ちんぽこも おそそも沸いて あふれる湯

山頭火

(島原商工会議所会頭)

 

2000年(平成12年)10月7日

 

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