ちょっといっぷく 第1話
ちょっといっぷく
~島原新聞創刊100周年によせて~
本稿は島原新聞が刊行されて100周年を迎え、それを記念して平成12年6月から当初は毎週1回の割りで都合100回にわたり連載寄稿したものである。
第1話 はじめに
島原新聞は、正確には平成11年8月25日をもって100周年を迎えた。
一世紀もの間、風雪にたえて現存する地方の日刊紙としては希有の存在であろう。
昨年満天下にむけて宣言された清水社長の格調高い経営理念のもと、「不偏不党」、「地域第一主義」の不動の旗じるしに対し私どもは、共感をもって声援を送りたい。
ついでに言えば、100年もつづいた新聞である。さらに志を高くもって次の飛躍へ挑戦していただきたい。
そこで提言であるが、島原新聞を読めば、1冊の本を読むに等しい、それくらいためになる新聞であれば、読者にとって、1ヶ月の新聞代くらいただみたいなものである。
いまも、文化面や講演の記録等で、相当力をいれておられるのは良く承知しているところ。加えて役にたつ情報提供とともに、読者の知的レベル向上に貢献していただきたいと念ずるものである。
さて、話は変わるけれど、このたび清水社長のご好意で、何回かにわたりコラムに投稿させていただくが、自信はまったくない。
論語(為政篇)に「七十ニシテ心ノ欲スル所ニ従(したが)イテ矩(のり)ヲ踰(こ)エズ」とある。
われは所詮凡夫の身、修業も足らなければ勉強もしていない。もし心の欲するままに行動すれば脱線の連続で矩(のり)をこえてしまうのはまちがいない。
にもかかわらず、物情騒然の現代「これだけは言っておきたい」ということを恥を覚悟で寄稿するけれど、70歳を過ぎた身、恐れ多いことながら孔子さまに因んでご容赦いただき、老人の茶飲みばなしとして、おつきあいのほどを願いあげる次第である。(島原商工会議所会頭)
2000年(平成12年)6月8日